2010年02月14日

ローランド・カークに踊る

今週は後期高齢者医療制度の議会や、
その対策などで少し疲れました。

今日は日曜日。
バレンタインデーと旧正の日でもあります。
「楽しいものはみんなOKよ」。
わたしも少し肩の力を抜こうと思います。
また明日からは厳しい毎日が始まるのですもの。

洗濯物を干して、
読み損ねていた新聞記事に目を通して、
レコードをひっぱり出しました。

ローランド・カークの
『イントロデューシング・ローランド・カーク 』

はじめてローランド・カークを聴いたのは大学生の頃、
あの名盤『Prepare Thyself to Deal With a Miracle 』(1973年録音)でした。
深淵な夜の空気を感じさせるような、
とても「にほい」薫るアルバムで、
いまでも比嘉家「夏の深夜に聴きたいアルバム」の首位に鎮座しています。

この『イントロデューシング・ローランド・カーク』は、
もっと後になって聴いたアルバムなのですが、
レコード屋さんで見つけたとき、
そのアルバムジャケットを見て「やった!カーク吹きまくり!」
と浮足立って購入したものです。

しかし家で針を落とすと「あれっ?ハードバップ!?」
フリーで前衛的な演奏を期待していたので、ちょいと面喰いました。
この人はジャケットにもあるように、
一人でいくつも楽器を吹いたり、鼻でフルートを吹いたりして、
とてもロックな心を感じる人なのです。

ですから、このアルバムが少しお行儀良く感じたのです。
資料を見ると録音は1956年。
カークにとっても初期の頃の作品のようです。

でも。良い!
やっぱりローランド・カークなのです。

むしろこの頃の力強いブロウを聴けば、
その後のスピリチュアルな音楽を発表していく、
彼の活躍にも納得させられました。

この人は、奇をてらって楽器をいくつもぶら下げたのではなく、
「この人の音楽」を表現するために、
どうしても幾つもの楽器を吹きまくる必要があったのだ。

B面2曲目の『スプリット・ガール』を聴くと
もう一緒になって、手を叩き、歓声を上げたくなるのです。イェ~イ!
きっとカークはいろんな評価や批判も受けながら、
自らの音楽に向き合って吹きつづけてきたのでしょう。
「変な枠にオレ様をくくるんじゃないやい!プピ~」
そんな姿勢になんだか胸を打たれるのでした。

ローランド・カークに踊る

                     溢れ出てくる音なのです     



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Posted by 比嘉みずき at 18:50 │レコード