2010年01月13日

那覇市無防備平和の街づくり条例

那覇市政において初めてとなる市民からの直接請求による、
「那覇市無防備平和の街づくり条例」制定について、
那覇市議会臨時会が12~13日の日程で開会されました。

請求を受けた翁長雄志市長は制定の可否について、
同市平和宣言や総合計画などで平和理念を既に掲げているため、
「新たに条例を定める必要はない」と反対する意見を示しました。

わたしたち日本共産党那覇市議団も、
条例制定のために、直接請求に署名された市民のみなさんが、
「沖縄戦を二度と再び繰り返させてはならない」との思いで、
署名されたものとして、今回の直接請求を重く受けとめました。

しかし、今回の条例請求の趣旨、条例案を貫く最も中心的な部分が、
戦争を前提とする「ジュネーブ諸条約・追加議定書」の積極的運用となっており、
それは、戦争をしないと決めた日本国憲法第9条とは相いれるものではなく、
憲法の平和原則に反する条例案なので、反対の立場をとりました。

わたし自身、この直接請求運動がはじまったころは、
その条例のタイトルから「これはいい条例だ」と、安易な印象を受けました。

日本もジュネーブ諸条約・追加議定書に加入しているし、
ジュネーブ諸条約や追加議定書がその総称として「国際人道法」とも呼ばれているからでした。

しかしそれは大きな誤解でした。

実際に、ジュネーブ諸条約・追加議定書そのものを読めば、
この無防備都市宣言が、日本が戦争に巻き込まれることを前提としていることがわかります。

ジュネーブ諸条約・追加議定書などの、
国際人道法とは、戦争をやめさせる。戦争を禁止する。
ひとりの犠牲者も出さないという条約ではありません。
国際人道法は、「戦争が起こったときに、その犠牲をなるべく少なくしよう」というものであって、
言いかえれば、「戦争対応条例」ともいえるものであり、
この直接請求署名に賛同した多くの人々の想いとは、正反対のものとなっているのです。

ですから、平和のための条例をつくろうという際に、
引用したり運用したりする性質の条約でないのです。

それでは、わたし達はどうやって「平和」をつくっていけばいいのでしょうか。

わたし達はあの戦争で、当時の日本の軍国主義のもとで、
広島・長崎への原爆投下や、沖縄戦などで日本国民310万人以上の尊い命が奪われました。
そして侵略戦争によって、アジア諸国民2千万人以上の尊い命を奪いました。

日本はこの痛苦の反省から、
平和で民主主義に支えられ、人権が大切にされる日本社会をつくるために、
そして「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないように」、
わたし達の国の最高法規である日本国憲法を制定しました。

憲法の前文には、
「日本国民は、恒久の平和を念願し、
 人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、
 平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
 われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、
 平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と、
平和を愛する世界の人々を信頼した恒久平和主義を謳っています。

さらに、憲法9条は、
「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
 国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、
 国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 2項、前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。
 国の交戦権は、これを認めない。」と、
世界の先駆けとなる平和原則を定めています。

わたし達に求められているのは、
日本国憲法とそれにそった外交や、国民の努力で戦争を阻止し、
日本と世界の平和を守り、発展させるという憲法の平和原則に『確信』をもって、
「憲法を守り、くらしに生かしていく」ことだと思うのです。 

那覇市無防備平和の街づくり条例

                       この憲法に確信をもとうぞ!



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Posted by 比嘉みずき at 23:16 │平和