ハローワークにて

比嘉みずき

2009年09月28日 22:56

30代のKさんは、もう4年間も仕事がみつからない。
高齢の母親と暮らしていて、収入はその母の年金と、
兄妹たちからの少しの援助だけである。

今日はそのKさんと一緒にハローワークに行ってきた。

お昼休みになっているのに、
駐車場に入るための車の列がずっと並んでいる。
Kさんは「こんなにいっぱいの人が仕事求めているんですか…」
と、表情が暗くなる。

ハローワークの中にはいると、
さらに大勢の方が、掲示板を見たり、パソコンでの検索をしている。
職員の方はインエンザ対策のマスクをしながら、
身振り手振りで案内している。

まるで、なにかの災害が起こったみたいだ。

わたしも久し振りに訪れたけれど、
不況の影響はまだまだ納まっていないし、
より深刻になっていると感じた。

わたしたちは、ハローワークの職員さんとの面接の順番を待った。
それでも20番ほど順番を待つらしい。

Kさんに待ち時間に時間が掛かることを伝えたら、
「大丈夫です。他の人たちはもっと待つんですよね」

わたし達は事前に、Kさんに紹介できる求職カードがあったので、
すぐに面接の順番を待っているけれど、
すぐ後ろには、面接を受ける前の段階である、
求職カードをみつけるために、パソコンに向かう人でいっぱいだった。

パソコンに向かう人は、若い人達だけでなく、
働き盛りの40代、50代の姿も多い。
まだ学生なのだろうか。スーツ姿の女性も多かった。

みんなこうして、大変な苦労をしながら、
ハローワークから仕事を紹介してもらうのだ。

紹介されても、就職が決まるわけではない。
そこからさらに、会社での入社試験や面接が待っているのだ。
すぐに決まる人は少ないだろう。

何回も何回もハローワークに通い、面接を受けて、
それでも落とされる人の気持ちを考えると胸が締め付けられる。

Kさんは、職員からの説明を受けて、
なんとか仕事を紹介をしてもらった。
採用が決まればいいのだけれど…。



                         空は晴れているけれど…

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