少年の悩み

比嘉みずき

2009年08月03日 21:13

K君は相当疲れているみたいだった。

親戚の方が心配して、わたしの事務所に相談に来た。
K君の祖母が亡くなり、いろんな問題がK君の肩にのしかかってきた。

K君の祖母は、障がいを持った娘(K君のおばさん)と一緒に暮らしていた。
いろんな家庭的事情や親戚関係もあり、
近くに住むK君が、高齢の祖母だけでなく、障がい者のおばさんの世話も見ていたそうだ。

K君はまだ高校三年生である。

亡くなった祖母のことで、いろんな手続きが役所であったのでお手伝いした。
国保加入者が亡くなったときに支給される葬祭費(二万五千円)の手続きをしようとしたら、
K君の祖母は後期高齢者だったので、葬祭費は二万円だった。

「おばあちゃんの方が長生きして、税金も多く払っているのに。
 死んでからも差別があるんですね…」

K君のまっすぐな眼差しに心を打たれた。
この声をテレビのあの人に聞かせたいものだ。

今日はK君と一緒に、
障がい者のおばさんの今後について、
那覇市社会福祉協議会内にある、
「那覇市障がい者生活支援センター ゆいゆい」
に相談に行った。

対応してくれた、ケースワーカーさんの親切な説明に
K君も安心したようだった。

帰りの車のなかで、
卒業後についてK君に訊ねてみた。
「とりあえず車の免許取りたいです」。
K君ははにかみながら答えた。

彼に。いろんな景色を見てほしいと思った。
歩道橋の上に入道雲が浮かんでいた。



                    那覇市社会福祉協議会と夏空

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