瀬長さんの花
幼い頃からベランダにあった植木。
ものぐさな比嘉家で、
日照りと風雨にさらされ続けてきました。
それでも毎年、花を咲かす。
ある日、父が思い出したように話した。
なんと瀬長亀次郎さんから頂いた植木だそう。
自慢げに話す割には、
割れたプランターのなかで、
乾いた土に埋もれているだけに見えた。
父の手を離れ、今はわたしが譲り受けた。
古い鉢のなかで、
雑草さえも枯れ果てているのに、
その植木の花は今年も咲いた。
今日、思い切って新しい鉢に植え替えた。
古いプランターから掘り起こしたら、
乾いた土にしっかりと根を張っていた。
名前も知らない花だけれど、
なんだか瀬長さんのように見える。
不屈の花。
きな臭い時代になってきたけれど、
沖縄県民がんばれ。
新しい土に咲く花から、
そんな声が聞こえた気がした。
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