一番桜

比嘉みずき

2010年01月18日 23:59

連日、名護市長選挙の応援にかけつけています。

朝早く起きて、高速道路で名護に向かい、
ハンドマイクを担いで西へ東へ、日が暮れるまで訴えて、
夜は、棒のようになった足で、アクセルを踏んでまた那覇に帰る。
さすがに身体の疲れも溜まってきました。

こんなときに、一緒にたたかう仲間の言葉がなによりの励ましになります。
苦楽を共にしている仲間の言葉は、どんな湿布薬よりも効くのです。

いつも一緒に活動をしている仲間に、Tさんがいます。
仲間といっても、Tさんは御年72歳。前期高齢者ならぬ元気高齢者です。
わたしがハンドマイクで訴えるときは、Tさんはノボリを持って、側に立ってくれます。

「なかなか反応いいぞ」。「向こうでおばさんが手を振っておったぞ」。

Tさんは、わたしの演説回数を数えながら、その地域の反応を見てくれて、
わたしを元気づけるために、いろんな言葉をかけてくれます。

街頭演説は見た目は華やかですが、
おなじ内容の演説を、何回も繰り返すという地味な活動でもあります。
一日に十数回もこなしていると、喉は痛くなるし、
ハンドマイクの紐が肩に喰い込んでくるし、何度もくじけそうになります。

そんなときにTさんの一言一言に、これまで何度も助けてもらいました。
「はい、みずきがんばれ。選挙は最後までがんばる方が勝つんじゃよ」
「はい、みずき、あと1ポイントで今日は終わりだよ。がんばれがんばれ」

夕暮れどき、通り過ぎていく車からは、
わたしたちの姿が見えなくなっているのに、
のぼりを持ちながら、一所懸命に車に手を振るTさんを見ながら、
わたしも最後の訴えに声をしぼりました。

帰りの高速道路で、Tさんは楽しそうに話します。
「孫に『毎日じいちゃんは何しに行っているの?』って聞かれたよ。
 『基地をなくすためにがんばっている』って答えたさあ。
 そしたら、ばあさんが『じいちゃんは選挙フラーだからねえ』って言われたさ。ガハハハハ」

メジロが大好きなTさんは、
名護の町でも、樹を見つけては口笛を吹きます。



                      政治の一番桜も名護市から

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