アメリカの友人
懐かしい友人からメールが届いていました。
学生の頃バイトをしていたときの友人で、
数年前にアメリカに渡って、向こうで結婚をしました。
遠く海を離れても、このブログを見てくれているそうで、
なんだか恥ずかしいけれど、やっぱり嬉しいものです。
一緒にバイトをしていたとき、
彼女は好奇心のかたまりのような娘で、
見てきたこと、聞いてきたこと、身体中で感じたことを、
いつも目を丸くしては、愉しそうに僕らに話してくれました。
「みずきさん、ジャニス・ジョブリンって人の
『メルセデス・ベンツ』って曲知っている!?
♪ねぇ神さま、私にベンツを買ってちょうだい
友達はみんなポルシェなの。私も見栄を張りたいの
今までずっと働き詰めで、誰も助けてくれない
だから神さま、私にベンツを買っちょうだい
って歌なんだよ。超かっこいい!ラジオで聴いたってば~!」
確かにとってもいい曲でした。
お行儀のよくない歌詞かもしれないけれど、
ジャニス・ジョブリンが気持ちよく髪をなびかせて、
のびのびと歌っているように聞こえました。
彼女からのメールで久し振りに聴きたくなったので、
その曲が入っているレコードを探したんだけれど見つかりません。
しょうがないのんでベスト盤をかけていたら、
なんだかそのレコードジャケットの写真が、
いつもオートバイに乗っていた彼女に見えてきました。
あの頃みんなで遊んでいたことを思い出していると、
『あたしとボビー・マギー』という曲が流れてきました。
♪バトン・ルージュで破産して一文無しで、
列車を待っていたの
ジーンズと同じくらい色褪せた気分だった
雨が降り出す寸前に
ボビーがディーゼル車をヒッチハイクし
私たちはニュー・オーリンズまでずっと乗せてもらった
私は薄汚れた真っ赤なバンダナの中からハーモニカを取り出し
ボビーが歌うブルースに合わせてそっと吹いた
車のワイパーがリズムを叩き
ボビーが手拍子を打つ
私たちは運転手の知ってる曲を残らずみんなで歌ったわ
自由ってことは、失うものが何もないってことね
値うちのあるものなんて何もないけど自由だわ
ボビーがブルースを歌ってる時
本当に簡単にいい気分になれた
ねえ、私にはそれで十分よかったのよ
私とボビー・マギーには十分だった
あの頃、聴いたときにはピンとこなかったこの曲が、
なんだか今は染みてきます。
メールには今年の七月に、
彼女に赤ちゃんが生まれたことが書かれていました。
マッコイファミリーにご多幸あれ
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