憲法記念日に

比嘉みずき

2010年05月03日 23:11

県民大会から一週間が過ぎました。

あの日、あの会場は大きな感情に包まれていました。
「怒り」「悲しみ」だけではない、
もっと大きな「温かさ」がありました。

いろんな立場の違いを超えて、
みんなが「基地はいらない」と
ひとつになった瞬間でした。

あれから一週間、
相変わらず政府の迷走ぶりが報道されています。
けれども県民はもう、強く揺るがない気持ちで
報道を見ているのではないでしょうか。

「大丈夫。どんなことがあっても県民みんなで跳ね返すよ」。

なんだかそんな決意がこの島を包んでいるように感じます。
県民大会のあの大きな感情はこれからも、
島の人々をずっと励ましつづけるのです。

今日は63回目の憲法記念日。
毎年、那覇市民会館で行われている
「憲法講演会」に出かけました。

核も基地もない平和な沖縄をつくるんだと、
戦争放棄を約束し、軍隊をもたないと約束した日本へ、
基本的人権を保障し、国民主権を謳った日本へと、
わたしたちの先輩は祖国復帰を、日本国憲法を手にしました。

講演会場のロビーでは、
ある日の朝刊が展示されていました。

その見出しには「変わらぬ基地。続く苦悩」とあります。
新聞が発行されたのは1972年5月15日。
「祖国復帰の日」の新聞でした。

残念ながら38年経ったいまも、
その記事が伝える現実は変わりません。

でも。変わったこと。変えてきたこともあります。
あの県民大会を包んだ大きな感情。
またひとつ、県民は強くなったのでした。



                      祖国のかたちを考えた

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