名護のそば屋にて

比嘉みずき

2010年01月14日 12:53

名護市長選挙の投票日が1月24日と迫っています。

那覇での仕事をすませて、時間をつくっては名護に通う日々です。
名護の集落で、そして市街地で。
ハンドマイクを担いでは、道行く人々に訴えています。

基地建設反対が過半数を占めた、1997年の名護市民投票から13年。
建設容認派の市長のもとで、名護市は豊かになったか。
基地建設を押し付けてきた自民党政治は、国民の力で政権から退場させられた。
激変する時代のなかで、名護の人々は苦悩しています。

危険な基地はどこにもいらない。
基地受け入れの代わりの振興策では、名護は豊かにならない。
市民の民意が大切にされる新しい名護市をつくりましょう。

わたしの訴えに、人々は表だっては支持の態度をしめしません。
特に男性の方は、腕組みをしながら、地面をみながら、歩き去って行こうとします。
けれども、わたしの前を通り過ぎるときに、「がんばろう」と低い声をかけてくれます。
まるで自分自身に言い聞かせているみたいでした。

国策に翻弄され、地域のきずなを壊されて。この町の人々は苦悩しています。

「平和を願わない人はいないよ。基地だってないほうがいいさあ。だけどね…」
そういう女性とも話をしました。

正しい道をわかっていても、「だけど」や「でも」という言葉が続いてしまう。
その「だけど」や「でも」が抱えている問題を解決していくのが、政治だと思う。
苦悩している人々に届くような言葉を選びながら、
わたしも名護市民と一緒にたたかっています。

お昼ごはんを食べるために、そば屋さんに入った。
住宅地域のなかにある、昔ながらのそば屋さんだ。
いまでは食券を買う機械が置かれ、駐車場にはレンタカーも停まる。

名護のそばらしく、麺は平たい。
かつおダシの熱いおつゆを飲みほして、
たくさんの色紙が掛けられている壁を見上げた。
「あの色紙は、もうないのかな…?」

少し色褪せていたけれど、ちゃんと一番上の段に、
その色紙は飾られていました。



                              おう!

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