対話さえできない関係

比嘉みずき

2009年10月27日 18:00

今朝もおもろまちの抗議行動に参加してきました。

午前7時30分。すがすがしい秋晴れの朝。
しかし、元市役所予定地には、
昨日の夕方まではなかったショベルカーがありました。
「わたしたちが帰った後に、搬入したんだ…」
地域住民のみなさんの顔が悲しく曇りました。

午前9時、ついにショベルカーは敷地内で工事を着工しました。

事業者は、地域住民からの要望を受けて、
文書で回答をすると約束をしたのに、
その回答も待たずに工事を進めたのです。

昨日のブログで、この問題の大きな原因に、
事業者と住民との「対話」が足りないことを指摘しました。

先週の行政視察では、そのことについての視察もしてきました。
その視察先は、日本の首都東京都・新宿区。
あれだけ高層ビルが立ち並ぶ大都会でさえ、
地域ごとに規制を設けて、住環境を守る努力をしていました。

特にそのなかでも、わたしが注目をしたのは、
「景観事前協議制度」でした。

新宿区は、平成20年7月に景観行政団体となり、
平成21年4月1日から新宿区景観まちづくり計画の運用を開始しました。

景観計画区域内で行われる一定規模の建築物の新築や開発行為について、
設計の早い段階で、事業者に「景観事前協議書」の提出を求め、
協議を行い、区分地区ごとに定められている「新宿区景観まちづくり計画」に適合させ、
着工の30日前までに行為の届出・通知を義務付けています。

当初は事業者側にとって、煩わしいもののように受け止められていたけれど、
今では、この「景観事前協議」で認定されていることが、
ひとつのステイタスともなり、地域のみなさんからの信頼を得ているそうです。
また、この制度ができてからは、大きな訴訟がほとんど無くなったと言っていました。

いま那覇市当局の問題は、住民と事業者との連携もとらずに、
無暗やたらに対立を深めさせ、強権的にものごとを進めようとする、その姿勢だと思うのです。

那覇市がすぐに協議の場を設置することを求めていきたいと思います。



                    住民の声は聞こえているはずなのに…

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